真木柱(まきばしら)
のちの世までの形見ともみよ
髭黒の大将が玉鬘を強引に妻にしてしまふ。嫉妬のあまり狂乱した髭黒の正妻は実家へ去り、幼い娘・真木柱は別れを惜しんで柱に歌を刻みつける。玉鬘の幸福と、捨てられた正妻の哀れが交錯する。
髭黒の大将が玉鬘を強引に妻にしてしまふ。嫉妬のあまり狂乱した髭黒の正妻は実家へ去り、幼い娘・真木柱は別れを惜しんで柱に歌を刻みつける。玉鬘の幸福と、捨てられた正妻の哀れが交錯する。
六条院の春、薫物合わせが催され若君たちが技を競ふ。明石の姫君の入内準備が進む中、源氏は娘の輝かしい門出を喜びつつも、別れを惜しむ。梅の香が漂ふ春の帖。
冷泉帝の行幸を六条院に迎へ、源氏は准太上天皇の位を授けられる。夕霧と雲居雁の結婚も成就し、源氏の栄華は絶頂に達する。物語の第一部が幕を閉じる、晴れやかな帖。
柏木が女三の宮に密通し、薫が生まれる。源氏はその秘密を知り、若き日に継母・藤壺に犯した罪の報いを感じる。紫の上が重く病み、源氏の胸に初めての老いと喪失の予感が訪れる。
頭中将の息子・柏木が源氏の妻・女三の宮に恋し禁忌を犯す。業の連鎖と因果応報を描いた悲劇の一帖。若くして命を燃やし尽くした柏木と、過去の自らの罪を鏡に映すように見る源氏の苦悩。
女三の宮との密通の罪悪感から命を落とした柏木。彼の形見の横笛が夕霧に渡り、夕霧の夢枕に柏木の魂が立つ。笛の音が亡き友の声となって響き、生者と死者の間を漂ふ帖。
出家した女三の宮のために源氏が仏事を催す秋の夜。鈴虫の声が庭に満ちる中、冷泉院や蛍宮が集まり管弦を楽しむ。源氏は宗教と愛の間で揺れる複雑な心情を歌に込める。
病の中で法華経を写し仏道に帰依した紫の上が、秋風の中で静かに息を引き取る。源氏の最愛の人の死。この帖は源氏物語最高の名場面のひとつとして、千年を超えて読み継がれてきた。